2013年1月9日水曜日

植物図鑑第3弾 ジュンケイボク・ホウオウボク・カエンボク

植物図鑑 第3弾です。
実は内容が一部ガーナニュースレターとかぶるので、そっちの発行を待っていました。ニュースレターにはこれに以前のセンナの話を合わせたものを載せたのですが、紙面の都合でかなりはしょっているので、こっちが長いバージョンです。
拠点発行のガーナニュースレターVol.15はこちら。
http://www.tmd.ac.jp/artis-cms/cms-files/ghana_news15.pdf

さて、今回は気になった街路樹の紹介をします。
ガーナにきた次の日から、移動中の車からみてずっと気になっていた街路樹があります。アクラ市内にものすごくたくさん植えられていて、もちろん野口研のまわりにもたくさんあって、それこそ日本の桜の季節のように黄色い花を大量に咲かせています。
これです。



和名:ジュンケイボク (盾桂木、盾柱木)
学名:Peltophorum pterocarpum
マメ科トゲナシジャケツ属
英名をYellow flame treeといい、日本語も俗名でコウエンボク「黄炎木」というみたいです。「火炎木」とセットですね。和名よりしっくりきます。和名は不思議なのですが、学名のPeltophorumっていうのが「楯状の柱頭」という意味らしいので、それと関係があるのかな…と考えています。マレーシアなど東南アジア原産みたいです。




花やつぼみのまわりの枝には茶色の細かい毛がたくさん生えていました。葉は特徴的な2回羽状複葉です。小さいひらべったい豆をつけるのですが、ほとんどが鞘でなかの種子はとても小さいです。ほんとに発芽するのかな…?しかも莢は軽いけれどすごく木質で開けにくいです。
ぼくたちがガーナについた頃(12月)はかなり満開だったのですが、いまは花も葉も減ってきて、豆がなっているのばかりが目立っています。ほかのマメ科の植物もおなじようなかんじで、乾季に種子をまくのが不思議だったけれど、よく考えたら当然でした。豆の莢がはじけるためには乾燥するのが必要だからです。だけど、ジュンケイボクの豆がはじけているのをみたことがないので、どうやって種子を散布しているのが疑問は残ります。


次に紹介するのは、ぼくがいまのところ一番きれいだとおもっている樹です。


和名:ホウオウボク(鳳凰木)
学名:Delonix regia
マメ科ホウオウボク属
まず、花がきれいです。そして樹の形がきれいです。赤い花が傘型の樹、一面に満開になっているのは圧巻です。葉もどこか涼しげだし…。
カエンボク、ジャカランダと合わせて「三大熱帯花木」というのも納得がいきます。





花は花弁が5枚あるのですが、1枚だけはじめは白いです。これが時間が経つと赤く変わるのかと思っていたのですが、調べたところ受粉が完了すると赤くなり、虫に対するシグナルになっているようです。
葉は2回羽状複葉です。豆の莢が非常に大きく硬いです。だいたい下に落ちているものは莢がはじけて中の種がなくなってしまっています。だから、種好きとしては熟しているけど、はじけていない莢から種をだしたかったのですが、あまりの硬さに断念…。
野口研の真ん中に植わっているホウオウボクのまわりに清掃で集められた大量の莢を見つけたのでそこを漁って種をgetしました!
莢の内側もきれいですが、種も模様があって面白いです。

で、最後に「三大」のうち、ガーナにあるもうひとつ、カエンボクです。




和名:カエンボク(火炎木)
学名:Spathodea campanulata
ノウゼンカズラ科カエンボク属
英名:African tulip tree
これは西アフリカ原産で、ガーナがそうかは知りませんが、まさにこのあたりが故郷の植物です。でも、ホウオウボクのほうがよく植わっているのはなぜだろう…?
赤い花を咲かせるのは同じですが、ホウオウボクが横に広がるのに対して高木になる印象があります。
今回紹介するなかでこれだけがマメ科ではなくてノウゼンカズラ科です。


たしかに花をひとつだけみるとノウゼンカズラと似た形をしているし、色もそっくり!
でも、本当に面白いのは種です。



莢のなかには、小さなグライダーのような形をした羽根のはえた種子がたくさん!
樹の周りで探したら、けっこう虫に食われている実が多かったです。蒔いて育てたいのですが、いまいち蒔き方が分からない。むかしフランスに旅行した時に花屋さんでこの樹の種が売られていたのでできないことはないと思うのですが…。ただひとつひとつがペラペラで発芽率があまりよくなさそうな印象です。日本語で検索にかけてもみつからないので、英語で「Spathodea campanulata germinate」って検索したらでてきました。発芽率は30-50%だそうですが、やってみます。
赤い花がきれいなので、日本でも沖縄など温かい地方に植栽されているようですが、見かけによらず、この植物は「世界の侵略的外来種ワースト100」に認定されていて、沖縄や小笠原諸島で野生化しないか心配されているようです。

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